妻は、日本に来て一年になっていましたが、一人で東京に行き、職を探すなど出来ようも有りません。
妻を東京に手引きした者が居るのです。今日は、その話を書きます。
その人物は、日本名J子と言います。
元妻は、J子の事を叔母だと言っていましたが、確証は有りません。
又、秋田の夫との間に子供が居るとの話でしたが、後に嘘と分かりました。
J子は、9年程前に、秋田県に住む男性との結婚の為に来日しました。
やはり、業者婚だったようです。
来日したJ子は、最初、秋田県に住んでいたようですが、田舎で暮らすのがつまらないのか、一年程して夫と別居し、東京に移り住んだようです。
その後、夫を身元引受人として、中国で暮らす自分の息子を呼び寄せ、一緒に東京で暮らして居ます。
このJ子は、私達が結婚訪中の前に、IDIJOHO古川氏と会っていました。
古川氏から私の電話番号を聞いたらしく、私が結婚訪中する前に電話を掛けてきました。
「姪を宜しく」との電話でした。
私は結婚訪中から帰って、「これから、親戚に成るのだから挨拶に行こう。」
そう思って、秋田県まで会いに行きました。
会った場所は、秋田県U町の道の駅です。
その日は土曜日で、J子の夫は仕事が休みで無いのか、昼休みに道の駅まで来ました。
私は、中国で撮った結婚式や観光した時の写真を見せ、
「これから宜しくお願いします。」そう挨拶しました。
少し遅れてJ子が現れました。
私達は3人で食事をし、結婚式の思い出話などをしたのです。
この時、すでにJ子は東京で暮らして居たのですが、夫もJ子も全くその話はせず、秋田で仲良く暮らしている。そのような話し振りでした。
その後、夫は仕事に戻り、J子と私だけになりました。
私とJ子は、世間話などを1時間程した後、分かれたのですが、普通、姪の夫が尋ねてくれば、家に案内するはずなのに、道の駅で会って、そこで別れる。
ちょっと不自然に感じた事を覚えています。
この時は、「家が古く、私に見せるのが恥ずかしいのかな?」
そんな、呑気に構えていたのでした。
今思えば、J子の夫の家には姑が居り、事情が分かってしまうのを恐れたのでしょう。
私はJ子と会ったのは、この一回きりですが、古川氏はJ子と何度か会ったようです。
ですが、私も古川氏も、妻が「東京で生活する」と言うまで、J子が夫と別居し、東京で生活している事を知りませんでした。
妻が「東京で生活する。」そう言った時、私は、「そんな事は絶対に許さない。」
そう言いました。その後、J子から電話が来て、
「貴方の妻にお金を貸している。貴方の妻に、東京で働いてもらってお金を返してもらう、それが嫌なら貴方がお金を返せ。」
そういう電話でした。
私は慌てて、J子の夫の家に電話をしました。
電話に出たのは夫の母親で、私がこれまでの経緯を話し、「どういう事ですか?」そう質問すると、夫の母親は怯えた声で、
「J子は、ずっと前に家を出て行ってしまい、もう私達とは関係ないです。関係ないです。」震えながら、そう言って電話を切りました。
私は、その夜、もう一度J子の夫の家に電話しました。
今度は、夫が出ました。夫にも、これまでの経緯を説明し、どういう事か質問しました。
夫は、「貴方の奥さんが東京に行くのは、私に関係ない。その問題は貴方達で決めれば良い話ではないか?私に責任など取れない。」
そう言い、「私達夫婦は別居して暮らしている。傍から見れば可笑しな夫婦と思うだろうが、私達が納得しているのだから、良いではないか?干渉しないでくれ。」
そう言いました。
私は、「そんな生活で、本当に満足しているのですか?」
夫に問い掛けました。
夫は「満足している訳ではないが、J子が、東京で生活したいと言って、私の言葉を聞き入れない。仕方ないではないか。また、仕事が旨く行っていないらしく、金の要求が有る。毎月妻にお金を送っている。」
ちょっと、半ベソを掻いた様に話しました。
私は、「私が秋田に挨拶に行った時、J子と会ったではないですか。あの時何故J子は秋田に居たのですか?」
そう聞きました。
夫は「あの時は、たまたまJ子が秋田に帰っていたんです。」
そう言いました。
どうやら、私が秋田に挨拶に行くと言ったので、それに合わせて秋田に帰っていたようです。
私は「J子は、時々秋田に帰っているのですか?」
そう聞きました。
夫は「一年に一度くらい帰って来る。でも、帰ると連絡があっても、急に都合が悪くなったと言って帰らない時もある。」
そう言いました。
また、私がJ子と私の妻の関係を尋ねると、夫は「親戚だとは聞いているが、姪とは聞いていない。」そう言いました。
中国人は同族の絆が強く、普通、姪や甥は家族と同じです。ですから、姪を親戚と紹介するのは変な話です。
私は、「貴方とJ子の間の子供はどうしているのですか?」と聞くと、
夫は「私とJ子の間に子供は居ません。」そう言いました。
私は「J子に、貴方との間に子供が居ると聞いているが?」
そう言うと、
夫は「J子がどう言ったか知りませんが、私とJ子の間に子供は居ません。」
そう、はっきり言ったのです。そして、
「J子の中国の子供の身元引受人になっている。J子の子供は、私が面倒を看るから、秋田に帰って来い。何度もそう言っているが、J子が私の意見を聞き入れない」
涙声で、そう言いました。
そういう事だったのか。私は全てが飲み込めたのです。
つづく
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